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- 第83集(2012年86回)
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- (21)多角化戦略と組織構造の国際比較
――本社の役割の再検討――
自由論題
論文名:(21)多角化戦略と組織構造の国際比較
――本社の役割の再検討――
著者名:上野恭裕
管理番号:JBM_RP83-E86-2012_F_22
大会 | 第86回年次大会 | |
---|---|---|
期間 | 2012年9月6日~9月9日 | |
開催校 | 日本大学商学部砧キャンパス | |
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キーワード
多角化 (diversification)/戦略(strategy)/組織構造(structure)/本社組織(headquarters)/国際比較研究(comparative research)
概要説明
【上野恭裕】
1990年代初頭のバブル崩壊以降,日本企業は競争力を失い,組織改革が行われてきた。そのような組織改革の有効性を質問票調査を利用した実証分析により明らかにするのが本稿の目的である。分析の結果,コア事業を強化しながら事業数を増加させるような積極的な事業展開が好業績につながっていることが明らかとなった。またそのような多角化戦略を展開する日本企業には集権的多数事業部型(CM型)という組織構造が多く,事業部制組織構造の形はとりながらも,実質的には分権化が進んでいないことが明らかとなった。このような組織構造が大きな本社を生み出していると考えられるが,大きな本社を持った企業がその規模ゆえに低業績であるという証拠は示されなかった。逆に本社機能の中で戦略調整機能を縮小させた企業が業績を悪化させていることも明らかとなった。多角化した企業では本社の戦略調整機能を活かしたマネジメントが必要である。
1990年代初頭のバブル崩壊以降,日本企業は競争力を失い,組織改革が行われてきた。そのような組織改革の有効性を質問票調査を利用した実証分析により明らかにするのが本稿の目的である。分析の結果,コア事業を強化しながら事業数を増加させるような積極的な事業展開が好業績につながっていることが明らかとなった。またそのような多角化戦略を展開する日本企業には集権的多数事業部型(CM型)という組織構造が多く,事業部制組織構造の形はとりながらも,実質的には分権化が進んでいないことが明らかとなった。このような組織構造が大きな本社を生み出していると考えられるが,大きな本社を持った企業がその規模ゆえに低業績であるという証拠は示されなかった。逆に本社機能の中で戦略調整機能を縮小させた企業が業績を悪化させていることも明らかとなった。多角化した企業では本社の戦略調整機能を活かしたマネジメントが必要である。